
こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、
社会保険労務士の関谷です。
最近は「高年齢の社員が増えてきたけれど、安全面で何を意識すればいいのか分からない」というご相談も増えてきました。
この記事では、高年齢労働者の労働災害防止措置(努力義務)について、
細かい制度説明ではなく「会社としてどんな考え方を持つとよいか」を中心にお伝えします。
労務の専門知識がなくても、最低限押さえておきたい判断軸が分かる内容です。
高年齢労働者の労働災害防止措置とは?
高年齢者の特性を前提に、事故やケガを防ぐための配慮を会社として考えることです。
年齢を重ねると、一般的に次のような変化が起こりやすくなります。
- 視力や聴力の変化
- 筋力やバランス感覚の低下
- とっさの動きへの反応の遅れ
そのため、これまで問題なく行えていた作業でも、思わぬ事故につながるケースがあります。
高年齢労働者の労働災害防止措置とは、こうした変化を前提に
「事故が起きにくい環境を考えること」です。
なぜ高年齢者向けの対策が必要なのか
高年齢者の労災は、起きた後の影響が大きくなりやすいからです。
転倒や転落など、原因自体はよくある事故でも、
高年齢者の場合は骨折や長期離脱につながりやすい傾向があります。
その結果、
- 本人の生活への影響が大きくなる
- 会社側も長期間の人員調整が必要になる
といった事態になりがちです。
このため、厚生労働省でも、
高年齢労働者の特性に配慮した労働災害防止の重要性が示されています。
事業者の「努力義務」とはどういう意味?
「何もしなくてよい」ではなく、「考えて対応しているか」が問われる義務です。
努力義務と聞くと、
「罰則がないなら、特に対応しなくてもいいのでは?」と感じる方も少なくありません。
ただ、実務上は次のような点が見られます。
- 高年齢の労働者がいる
- 危険が想定できる作業がある
- それでも特に検討していない
このような状況で事故が起きた場合、
「会社として安全面をどう考えていたのか」が問われやすくなります。
努力義務は、義務ではないからといって無視して良いわけではなく、
可能な範囲での遵守が求められる取り組みと言えます。
現場で考えたい対策の基本的な視点
高年齢労働者を特別扱いするのではなく、全ての労働者に共通する危険を減らす視点が出発点です。
高年齢者への配慮というと、
「高年齢者だけの特別対応」を思い浮かべがちです。
しかし実際には、次のような点を見直すことが第一歩になります。
- 誰にとっても転びやすい床や段差
- 見えにくい表示や暗い照明
- 無理な姿勢や負担の大きい作業
これらは全ての労働者に共通するリスクです。
結果として、高年齢労働者の労災防止にもつながっていきます。
エイジフレンドリー補助金
高年齢労働者に配慮した職場づくりを後押しする支援制度があります。
安全対策を考える中で、
「必要なのは分かるけれど、費用面が気になる」という声もよく聞きます。
こうした取り組みを支援する制度として、
エイジフレンドリー補助金が設けられています。
高年齢労働者を含めた職場環境の改善に取り組む事業者を支援する制度で、
内容や条件は年度ごとに変わるため、最新情報の確認が前提になります。
※補助金制度は毎年見直される点にご注意ください。
厚生労働省の資料について(参考情報)
具体的な対策内容は、公的資料を参考に整理するのがおすすめです。
この記事では、
高年齢労働者の労働災害防止について「考え方の整理」を目的としています。
そのため、具体的なチェックリストや細かな措置内容までは載せていません。
実務での具体例や確認ポイントについては、
以下の厚生労働省の公式資料が参考になります。
👉 「高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン」の策定について
※リンク先の内容や掲載状況は変更されることがあります。
よくある質問
Q1. 何歳から対策を考える必要がありますか?
A. 明確な年齢基準はなく、作業内容や体力の変化を踏まえて考えるのが一般的です。
Q2. 小規模な会社でも関係ありますか?
A. 規模にかかわらず、高年齢の労働者がいる場合は検討対象になります。
まとめ
- 高年齢労働者は労災時の影響が大きくなりやすい
- 事業者には災害防止を考える努力義務がある
- 特別扱いではなく共通リスクを減らす視点が大切
- 補助金などの支援制度も参考にできる

「社会保険労務士 関谷聡の実務ワンポイント」
高年齢労働者の労働災害防止は、年齢による変化を前提に、
全労働者に共通する危険を減らす視点で職場を見直すことが重要です。
※本記事は執筆時点の制度内容をもとに整理しています。
制度は今後変更される可能性がありますので、最新情報は公的機関でご確認ください。
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