
こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、
社会保険労務士の関谷です。
前回の記事「有期雇用の無期転換ルールとは?会社として確認したい基本と注意点を解説」では、有期雇用の「無期転換ルール」の基本について整理しました。
その中でも、「定年後再雇用にも無期転換ルールはあるの?」という点は、実務上よく相談を受けるテーマの一つです。
この記事では、定年後再雇用と無期転換ルールの関係について、「第二種計画認定申請」を中心に整理します。
「定年後引き続き再雇用なら自動的に特例になる」と誤解されることもありますが、実際には会社側で申請の手続きが必要になります。
定年後再雇用にも無期転換ルールはありますか?
定年後再雇用であっても、原則として無期転換ルールの対象になります。
無期転換ルールは、契約社員やパートだけでなく、定年後に再雇用される有期契約労働者にも原則として適用されます。
そのため、定年後再雇用で有期契約を更新している場合には、一定の条件を満たすと無期転換申込権が発生する可能性があります。
一方で、定年後再雇用者については、一定の場合に無期転換ルールを除外できる制度が設けられています。
この特例を利用するために必要になるのが、「第二種計画認定申請」です。
第二種計画認定申請とは何ですか?
第二種計画認定申請とは、定年後に継続雇用者される有期雇用労働者に対して、無期転換ルールの摘要除外を受けるための申請です。
- 定年後に再雇用している
- 有期契約を更新している
- 継続雇用制度を運用している
といった会社で関係してくる制度です。
対象となるのは、自社で無期雇用のまま定年を迎えた従業員に限られます。
そのため、有期契約の状態で定年を迎えた方や、他社で定年を迎えた方(特殊関係事業主は除きます)については対象になりません。
勘違いしやすいポイント
「定年後に継続して有期雇用での再雇用なら自動的に無期転換ルールは発生しない」と思われることがありますが、自動適用ではありません。
一定の条件を満たしたうえで、会社側で労働局の認定を受けている必要があります。
どんな会社が対象になりますか?
たとえば、
- 定年後に1年ごとの契約更新をしている
- 嘱託社員として再雇用している
- 継続雇用制度を導入している
といった会社では、第二種計画認定申請が関係する可能性があります。
第二種計画認定申請はどのような流れで進めますか?
第二種計画認定申請では、計画作成から労働局への申請・認定までを順番に進めていきます。
第二種計画認定申請は、次のような流れで進めます。
① 雇用管理に関する計画を作成する
無期転換ルールの特例の適用を希望する事業主は、特例対象労働者について、能力が有効に発揮されるような雇用管理に関する措置についての計画を作成します。
今回の記事で扱っている定年後再雇用のケースでは、「継続雇用の高齢者」が対象になります。
※具体的な申請書類作成については認定申請のために必要な書類について(第二種計画認定)(東京労働局)を参照ください。
② 都道府県労働局へ計画を提出する
作成した計画は、本社・本店を管轄する都道府県労働局へ提出します。
なお、本社・本店を管轄する労働基準監督署を経由して提出することもできます。
③ 都道府県労働局が認定を行う
提出された計画について、内容が適切と認められた場合には、都道府県労働局による認定が行われます。
④ 認定後に特例が適用される
認定を受けた事業主に雇用される対象労働者について、無期転換ルールの特例が適用されます。
今回のテーマである定年後再雇用では、「継続雇用の高齢者」が対象になります。

出典:高度専門職・継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例について(厚生労働省)
会社として気をつけたいポイント
特例が適用されている場合には、有期労働契約の締結や更新の際に、
「無期転換ルールに関する特例が適用されていること」を対象労働者へ明示する必要があります。
制度だけ整えていても、実際の契約書や運用が一致していないと問題になることもあるため、書面整備も含めて確認しておきたいところです。
会社として確認しておきたいポイントはありますか?
認定の有無だけでなく、実際の再雇用運用との整合性確認が重要です。
会社としては、
- 第二種計画認定申請を行っているか
- 対象者の範囲は整理されているか
- 雇用契約書の内容は一致しているか
- 就業規則との整合性は取れているか
- 再雇用制度の運用実態と合っているか
などを確認しておきたいところです。
なお、実際の申請様式や添付書類、記載内容などについては、厚生労働省の資料も確認しながら進めることが重要です。
よくある質問
Q. 第二種計画認定申請をしていなければ、どうなりますか?
認定を受けていない場合は、一般的には通常の無期転換ルールの対象になります。
定年後再雇用であっても、認定を受けていない場合には、原則として無期転換ルールが適用されます。
そのため、「再雇用だから自動的に対象外」とはならない点に注意が必要です。
Q. 第二種計画認定申請をすれば、何もしなくても大丈夫ですか?
認定後も、契約書や実際の運用が制度内容と一致しているか確認が必要です。
第二種計画認定申請は、認定を受ければ終わりではありません。
実務上は、
- 雇用契約書
- 就業規則
- 更新時の説明
- 対象労働者への明示
など、日々の運用も重要になります。
特に、無期転換ルールの特例が適用されていることを、対象労働者へ適切に明示しているかは確認しておきたいポイントです。
まとめ
定年後再雇用では、「再雇用だから無期転換ルールは関係ない」と考えられていることもあります。
しかし、実際には、
- 原則として無期転換ルールの対象になる
- 特例には認定申請が必要
- 自動適用ではない
という点を整理しておくことが大切です。
特に、長年同じ運用を続けている場合には、現在の制度内容と実務が一致しているか、一度確認しておきたいところです。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント
定年後再雇用でも無期転換ルールは原則適用されるため、
第二種計画認定と会社の実情に沿った日々の労務管理が重要です。
なお、制度内容や申請様式などは変更される場合もあるため、最新情報も確認しながら対応を進めることが重要です。
公式資料
高度専門職・継続雇用の高齢者に関する無期転換ルールの特例について(厚生労働省)
認定申請のために必要な書類について(第二種計画認定)(東京労働局)
無期転換ルール及び有期特措法に基づく第二種計画認定申請について(大阪労働局)
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