男女間賃金差異・女性管理職比率の公表は何をすればよい?算出から要因分析まで解説

こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、

社会保険労務士の関谷です。

社会保険労務士として、法令に基づいた適切な労務管理を通じて、働く方が安心して働ける職場づくりと、経営者が本業に専念できる環境づくりをサポートしています。

2026年4月1日から、常時雇用する労働者が101人以上の企業では、「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」が情報公表の必須項目となりました。

この記事では、公表義務の概要だけでなく、数値の算出、公表時の説明欄の使い方、数値の背景にある要因の整理、厚生労働省の分析ツールを使った確認方法まで、会社としてどのような順番で対応すればよいかを解説します。

目次

男女間賃金差異と女性管理職比率の公表で、会社をするのでしょうか

公表への対応では、対象企業かどうかだけでなく、数字の集め方や説明の仕方まで整理しておく必要があります。

企業の担当者からすると、最初に思い浮かぶのは、次のような疑問ではないでしょうか。

「自社も公表の対象になるのか」

「給与データから、どの数字を拾えばよいのか」

「管理職には、課長代理や主任も含まれるのか」

「算出した割合が低かった場合、そのまま公表してよいのか」

「数値の理由を、どこまで説明すればよいのか」

公表義務があることを知っていても、実際に対応しようとすると、対象者の範囲、賃金に含める項目、管理職の定義、公表時期など、確認する事項がいくつも出てきます。

さらに、男女間賃金差異は、一つの数値だけで会社の賃金制度や女性活躍の状況を判断できるものではありません。

女性社員を積極的に採用した結果、勤続年数の短い女性が増え、一時的に男女間賃金差異が広がることもあります。反対に、賃金差異が小さくても、女性管理職比率や平均勤続年数などを見ると、別の課題が見つかることもあります。

そのため、会社としては、単に計算方法を確認するだけでなく、なぜその数字になったのかを説明できる状態にすることが大切です。

結論として、公表する数字を作るだけでは十分ではありません

公表対応では、対象確認、算出、要因分析、説明、今後の取組という順番で整理すると、実務を進めやすくなります。

当事務所では、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表について、次の順番で整理します。

  1. 自社が公表対象か確認する
  2. 対象となる事業年度と公表時期を確認する
  3. 算出に使う労働者、賃金、管理職の範囲を決める
  4. 男女間賃金差異と女性管理職比率を算出する
  5. 数値の背景にある要因を整理する
  6. 公表時の注記や説明欄を検討する
  7. 今後見直すべき取組を整理する

このテーマでは、「何%だったか」だけに目が向きやすいのですが、数字はこれまでの採用、配置、育成、勤続、登用などの結果として表れたものです。

公表はゴールではありません。

当事務所では、公表するために数字を作るのではなく、数字を通じて自社の雇用管理を見直すという考え方で整理します。

なぜ数値だけでなく要因分析まで行うのでしょうか

男女間賃金差異は複数の人事上の要素が重なって生じるため、数値の大小だけで評価せず、背景を分けて確認することが重要です。

男女間賃金差異は、同じ仕事をする男女の基本給だけを比べた数字とは限りません。

公表する数値は、男性労働者の平均年間賃金に対して、女性労働者の平均年間賃金が何%であるかを示します。全労働者、正規雇用労働者、非正規雇用労働者の3区分で算出・公表します。

そのため、次のような違いが数値に影響することがあります。

  • 男女の勤続年数
  • 管理職や役職者の男女構成
  • 正規・非正規の男女構成
  • 職種や配置の違い
  • 労働時間や勤務形態
  • 採用時期や年齢構成
  • 昇進・昇格の状況
  • 賞与や各種手当の支給状況

例えば、女性の採用を近年増やした企業では、女性社員の平均勤続年数が男性社員より短くなりやすく、結果として平均年間賃金にも差が表れることがあります。

この場合、数値だけを見て「女性の賃金を低く設定している」と結論付けることはできません。

一方で、勤続年数や雇用形態をそろえて確認しても差がある場合は、配置、評価、昇進、手当など、別の要因を確認する必要があります。

指標の大小そのものだけに着目するのではなく、要因と課題を分析し、改善に向けて取り組むことが重要です。

男女間賃金差異と女性管理職比率はどのように算出するのでしょうか

男女間賃金差異は3区分で平均年間賃金を比較し、女性管理職比率は管理職全体に占める女性管理職の割合を確認します。

男女間賃金差異の基本的な算出方法

男女間賃金差異は、次の3区分について男性と女性に分けて算出します。

  • 全ての労働者
  • 正規雇用労働者
  • 非正規雇用労働者

基本的な計算式は、次のとおりです。

女性労働者の平均年間賃金 ÷ 男性労働者の平均年間賃金 × 100

例えば、男性の平均年間賃金が500万円、女性が400万円であれば、男女間賃金差異は80.0%です。

実際の算出では、まず男性・女性、正規・非正規の4つに労働者を分け、それぞれの事業年度中の総賃金と人員数から平均年間賃金を計算します。

公表時には、小数点第2位を四捨五入して小数点第1位まで表示します。

賃金には何を含めるのでしょうか

賃金には、一般的に基本給だけでなく、残業代、各種手当、賞与など、労働の対価として支払うものが含まれます。

一方、退職手当や通勤手当については、その性質を踏まえ、事業主の判断で賃金から除外する取扱いも認められています。除外した場合は、公表時にその前提を記載します。

ここで重要なのは、男女で異なる扱いをしないことと、継続的な公表において同じ考え方を用いることです。

計算方法を変更した場合には、変更したことと、その理由も明記します。

女性管理職比率の基本的な算出方法

女性管理職比率は、次の式で算出します。

女性管理職数 ÷ 管理職総数 × 100

ここでいう管理職は、「課長級」と「課長級より上位の役職」の合計で、役員は含みません。

社内で「課長」という名称を使っていなくても、職務内容や責任の程度が課長級に相当する場合は、管理職に含まれることがあります。

反対に、名称が「課長代理」「課長補佐」であっても、一般的には直ちに課長級とは扱われません。役職名だけで判断せず、組織上の位置付けや責任の程度を確認する必要があります。

当事務所では公表前に何を確認するのでしょうか

当事務所では、対象企業かどうかを確認した後、事業年度、対象者、集計ルール、管理職の範囲、公表方法の順に整理します。

1.常時雇用する労働者数を確認する

2026年4月1日から、常時雇用する労働者が101人以上の事業主は、男女間賃金差異と女性管理職比率の公表が必要です。

常時雇用する労働者が100人以下の事業主については、努力義務とされています。

常時雇用する労働者とは

期間の定めなく雇用されている人(いわゆる無期雇用)

有期契約でも、

  • 過去1年以上引き続き雇用されている人
  • 採用時点で1年以上雇用される見込みの人

つまり、「フルタイムかどうか」ではなく、雇用の安定性が基準になります。

2.自社の事業年度と初回公表時期を確認する

初回の公表は、2026年4月1日以降に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度の開始後、おおむね3か月以内に行います。

例えば、3月決算の企業であれば、2027年3月31日に終了する事業年度の実績を、2027年6月末までに公表することになります。

施行日だけを見て準備を始めるのではなく、自社の決算期から逆算して、いつまでに集計を終える必要があるのかを確認します。

3.対象となる労働者の範囲を決める

正規雇用労働者と非正規雇用労働者に、それぞれ誰を含めるかを整理します。

例えば、次のような区分です。

  • 正社員
  • 契約社員
  • パートタイマー
  • アルバイト
  • 嘱託社員
  • 出向者

派遣労働者については、派遣先の労働者ではないため、通常は派遣先企業の算出対象には含めません。

出向者については、賃金をどちらの会社が負担しているかなど、実際の状況を確認したうえで整理する必要があります。

4.賃金に含めるものを統一する

基本給、賞与、残業代、役職手当、家族手当など、賃金台帳や源泉徴収簿をもとに対象項目を整理します。

退職手当や通勤手当を除外する場合は、その取扱いを社内で明確にし、公表時の注記にも反映させます。

5.管理職の範囲を確認する

管理職は、「課長級」と「課長級より上位の役職」の合計で、役員は含みません。

また、役職名だけを一覧にして判断するのではなく、次の点を確認します。

  • 組織上の位置付け
  • 部下や担当組織の有無
  • 職務内容
  • 責任の程度
  • 上下の職階との関係

特に、中小企業では「課長」という名称を使っていなかったり、一人の管理者が複数の役割を兼ねていたりするため、組織図と実際の職務の両方を見る必要があります。

6.公表場所を決める

情報は、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や、自社ホームページなどで公表できます。

比較可能な形で情報を確認できる「女性の活躍推進企業データベース」の活用がおすすめです。

男女間賃金差異の要因はどのような順番で整理すればよいでしょうか

要因分析では、まず人員構成を確認し、勤続年数、役職、雇用形態、職種、労働時間、賃金項目へと順番に掘り下げます。

当事務所では、最初から細かな給与明細を一件ずつ見るのではなく、大きな構造から確認します。

1.正規・非正規の男女構成を見る

最初に、男女それぞれについて、正規雇用と非正規雇用の人数や割合を確認します。

例えば、女性の非正規雇用比率が高い場合、全労働者の男女間賃金差異には、雇用形態の構成が大きく影響している可能性があります。

この場合は、全労働者の数値だけでなく、正規と非正規を分けた数値を見ることで、どこに差があるのかが分かりやすくなります。

2.平均勤続年数を見る

次に、男女別の平均勤続年数を確認します。

採用を増やしたばかりで女性社員の勤続年数が短い場合や、一定の勤続年数を迎える前に退職する女性が多い場合は、平均年間賃金にも影響します。

この段階では、単に勤続年数の差を見るだけでなく、次の点も確認します。

  • 採用時期
  • 採用人数の推移
  • 退職時期
  • 退職理由
  • 育児休業からの復職状況
  • 長く働き続けられる配置や制度になっているか

3.役職別の男女構成を見る

管理職や役職者に男性が多い場合、役職手当や基本給、賞与の違いが男女間賃金差異に影響している可能性があります。

女性管理職比率と男女間賃金差異を別々に見るのではなく、関連付けて確認することが大切です。

管理職比率が低いときは、「女性本人に昇進意欲がない」と決め付けず、次のような流れを確認します。

  • 管理職候補となる女性がどの職種や等級にいるか
  • 男女で育成機会に違いがないか
  • 責任ある業務を任せる時期に違いがないか
  • 昇進候補者の選び方が明確か
  • 長時間労働を前提とした働き方になっていないか
  • 管理職の役割や負担が過度になっていないか

4.職種や配置を見る

営業、技術、製造、事務など、職種ごとの賃金水準が異なる会社では、男女の配置状況が全体の賃金差異に影響します。

例えば、相対的に賃金水準の高い職種に男性が多く、事務職に女性が多い場合、同じ賃金表を運用していても、会社全体では差が生じることがあります。

この場合、見るべきなのは「男女で給与表が違うか」だけではありません。

採用、配属、職種転換、研修、キャリアコースの選択機会に違いがないかも確認します。

5.労働時間や勤務形態を見る

短時間勤務者や所定労働日数の少ない労働者が女性に多い場合、年間賃金の平均にはその違いが表れます。

そのため、必要に応じて、時間当たりの賃金に換算した追加分析を行うことも考えられます。

厚生労働省も、パート・有期労働者が多い場合の追加情報として、正社員とパート・有期労働者の賃金を時間当たりに換算して示す方法を例示しています。

6.賃金項目ごとに見る

最後に、必要に応じて賃金の内訳を確認します。

  • 基本給
  • 賞与
  • 時間外手当
  • 役職手当
  • 職務手当
  • 資格手当
  • その他の手当

例えば、基本給の差は小さくても、役職手当や賞与を含めると差が広がることがあります。

この場合、役職登用や評価制度の運用に要因がないかを確認します。

公表時の説明欄には何を書けばよいのでしょうか

説明欄では、数値を正当化するのではなく、計算の前提、差が生じた背景、現在の課題、今後の取組を分かりやすく伝えます。

「女性の活躍推進企業データベース」には、数値に加えて補足情報を掲載できる「注釈・説明欄」が設けられています。

男女間賃金差異の公表では、まず次のような計算上の前提を記載します。

  • 対象期間
  • 正規・非正規に含めた労働者の範囲
  • 賃金から除外した手当
  • 人員数の換算を行った場合の方法
  • 出向者の取扱い

そのうえで、必要に応じて、次の内容を説明欄に記載します。

数値の背景

例えば、次のような内容です。

近年、女性の新卒採用を拡大しており、女性労働者には勤続年数の短い層が多いことが、男女間賃金差異に影響しています。

現在確認している課題

管理職候補となる女性社員の人数が少なく、女性管理職比率が低い状況にあります。

今後の取組

今後は、役職候補者への研修や業務経験の付与を計画的に行い、性別にかかわらず管理職を目指せる育成体制を整えていきます。

より詳しい追加情報

必要に応じて、次のような情報を追加することも考えられます。

  • 職種別の男女間賃金差異
  • 勤続年数をそろえた比較
  • 役職別の男女構成
  • 時間当たり賃金の比較
  • 過去数年間の推移
  • 今後の改善目標

厚生労働省も、より詳しい雇用管理区分での分析、同じ勤続年数や役職の男女間比較、時系列での公表、改善に向けた取組の説明などを追加情報の例として示しています。

ただし、説明欄は数値をよく見せるための場所ではありません。

当事務所では、次の4点が伝わる文章にすることを大切にしています。

1.どのように算出したか
2.なぜこの数字になったと考えているか
3.会社として何を課題と捉えているか
4.今後どのように取り組むか

要因がまだ明確でない場合は、無理に断定する必要はありません。

「現時点では勤続年数や役職構成が影響している可能性があるため、今後さらに分析を進めます」といった表現も考えられます。

分析ツールでは何を確認できるのでしょうか

厚生労働省の分析ツールを使うと、自社の男女間賃金差異や関連する労務データを見える化し、同業種・同規模企業との比較を確認できます。

厚生労働省は、男女間賃金差異の課題や要因を分析するためのExcel形式の「男女間賃金差異分析ツール」を提供しています。

男女間賃金差異をはじめとする労務管理の基本データを入力することで、同業種・同程度の従業員規模の企業平均と比較できます。

ツールを使う前に準備したい情報

次のようなデータを準備します。

  • 男女別の労働者数
  • 正規・非正規別の人数
  • 男女別の賃金総額
  • 採用者数
  • 平均勤続年数
  • 管理職数
  • 労働時間
  • 育児休業などの利用状況

実際に必要となる項目は、使用するツールの最新版や分析する範囲により異なるため、入力時のマニュアルも確認します。

ツールで分かること

ツールを使うと、例えば次のような確認がしやすくなります。

  • 自社の男女間賃金差異
  • 正規・非正規ごとの差
  • 関連する人事指標との関係
  • 同業種・同規模企業との比較
  • 追加で確認した方がよい項目

ただし、平均との比較だけで、自社の取組が良いか悪いかを判断できるわけではありません。

企業ごとに、事業内容、職種構成、採用の時期、年齢構成、地域、雇用形態などが異なるためです。

分析ツールは、結論を自動的に出すものではなく、どこを詳しく確認するかを見つけるための入口として使うとよいでしょう。

会社として気をつけたいポイントは何でしょうか

公表対応では、計算の正しさだけでなく、毎年同じ基準で集計できる体制と、社内外へ説明できる準備を整えることが重要です。

集計ルールを記録しておく

初年度に算出できても、翌年度に担当者が変わり、計算方法が分からなくなることがあります。

次の内容は、社内資料として残しておくことをおすすめします。

  • 対象者の範囲
  • 正規・非正規の区分
  • 賃金に含めた項目
  • 除外した項目
  • 出向者や休職者の取扱い
  • 人員数の計算方法
  • 管理職の範囲
  • 使用したデータ
  • 集計担当者と確認者

男女で異なる数え方をせず、継続的に一貫した方法を用いることが求められています。

給与担当者だけで対応しない

男女間賃金差異は給与データから算出しますが、その要因は給与だけとは限りません。

採用、配置、評価、昇進、育成、働き方などが関係するため、状況によっては次の担当者との連携が必要です。

  • 経営者
  • 人事担当者
  • 給与担当者
  • 採用担当者
  • 各部門の管理職

数字を出す担当者と、背景を説明できる担当者が異なることもあります。

公表前に社内説明を行う

公表された数値は、求職者だけでなく、現在働いている社員も目にする可能性があります。

社内から質問があったときに、「法律で決まったので掲載しただけです」とならないよう、会社として数値の意味や今後の取組を説明できる状態にしておくことが望ましいでしょう。

個人が推測されないように配慮する

管理職や特定職種の人数が少ない場合、詳しい数値を追加公表すると、個人が推測される可能性があります。

法定の公表項目を押さえつつ、任意の追加情報をどこまで示すかは、個人情報や社内情報への配慮も含めて検討します。

勘違いしやすいポイントは何でしょうか

男女間賃金差異は同じ仕事をする男女の基本給差を直接示す数字ではなく、会社全体の人員構成や役職構成なども反映した指標です。

「100%でなければ男女で賃金を差別している」とは限りません

男女間賃金差異は、男性と女性の平均年間賃金を比較したものです。

勤続年数、役職、職種、労働時間、雇用形態などの違いが反映されるため、100%未満というだけで、直ちに男女で異なる賃金設定をしているとは判断できません。

ただし、差がある理由を説明できなければよい、ということでもありません。

同じ役職、職種、勤続年数などで比べた場合に不合理な差がないか、必要に応じて確認することが大切です。

数値が高ければ課題がないとは限りません

男女間賃金差異が小さくても、女性管理職がほとんどいない、女性社員の勤続年数が短い、特定の職種に女性が偏っているといった課題がある場合があります。

厚生労働省も、男女間賃金差異が小さい場合であっても、管理職比率や平均勤続年数などを見ると男女差が生じていることがあると説明しています。

「課長」という名称だけで管理職を数えるわけではありません

管理職に該当するかどうかは、役職名だけでなく、職務内容や責任の程度も踏まえて判断します。

社内の役職体系が独自の場合は、組織図、職務権限、等級制度なども確認して整理する必要があります。

説明欄には自由に理由を書けばよいわけではありません

説明欄に記載する内容は、実際のデータや社内状況から確認できる範囲で整理します。

「女性は管理職を希望しないため」といった推測や固定的な見方だけで説明するのではなく、候補者数、登用実績、研修機会、勤務状況などを確認することが大切です。

男女間賃金差異と女性管理職比率に関するよくある質問

Q1.101人以上になったら、すぐに公表しなければなりませんか

直近の事業年度の末日(例:3月決算法人なら「3月31日時点」、12月決算法人なら「12月31日時点」)における労働者数の合計が「101人以上」かどうかで判断します。

公表は、2026年4月1日以降に最初に終了する事業年度の実績を、その次の事業年度開始後3か月以内に行います。

Q2.自社ホームページがなくても公表できますか

厚生労働省が運営する「女性の活躍推進企業データベース」を利用できます。

自社ホームページへの掲載も可能ですが、求職者が企業間で情報を確認しやすいという点では、同データベースの活用が案内されています。

Q3.男女間賃金差異が低い場合、改善してから公表してもよいですか

公表期限までに、必要な情報を公表することが基本です。

数値が低いことだけを理由に公表を遅らせるのではなく、背景を分析し、必要に応じて説明欄に現在の状況や今後の取組を記載することを検討します。

Q4.分析ツールを使えば、要因分析まで完了しますか

分析ツールは、自社の数値を見える化し、確認すべき項目を見つけるために役立ちます。

ただし、数字の背景にある採用方針、配置、育成、昇進、退職などの事情までは、入力結果だけで判断できません。

ツールの結果と、実際の社内制度や運用状況を照らし合わせて考える必要があります。

まとめ

男女間賃金差異と女性管理職比率の公表は、対象確認から算出、要因分析、説明欄の作成、今後の取組までを一つの流れとして進めることが大切です。

2026年4月1日から、常時雇用する労働者が101人以上の事業主では、男女間賃金差異と女性管理職比率が情報公表の必須項目となりました。

会社として確認したいのは、次の点です。

  • 自社が公表対象になるか
  • どの事業年度の数値をいつまでに公表するか
  • 労働者や賃金の範囲をどう整理するか
  • 管理職をどのように数えるか
  • 数値の背景にどのような要因があるか
  • 説明欄に何を記載するか
  • 今後どのような取組につなげるか

当事務所では、数値の大小だけで良し悪しを判断するのではなく、人員構成、勤続年数、役職、職種、勤務形態などを順に確認し、会社の実態に沿って整理することが大切だと考えています。

また、制度や公表方法は今後も資料や解釈が更新される可能性があります。実際に公表する際は、厚生労働省や都道府県労働局の最新情報をご確認ください。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント

男女間賃金差異と女性管理職比率は、数字を公表して終わりにせず、その背景を分析し、会社として説明できる形に整えて今後の人事・労務管理へつなげることが重要です。

公式資料

男女間賃金差異と女性管理職比率の公表について(愛知県労働局)

女性活躍推進法に基づく男女間賃金差異の情報公表について(厚生労働省)

女性活躍推進法が改正されました!(厚生労働省)

令和8年度版 男女間賃金差異分析ツール活用パンフレット(厚生労働省)

男女間賃金差異分析ツールを公開しました!(厚生労働省)

状況把握、情報公表、認定基準等における解釈事項について (厚生労働省)

女性活躍推進法特集ページ(厚生労働省)

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この記事を書いた人

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