最低賃金はどう確認する?月給制でも必要な計算方法をわかりやすく解説

こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、

社会保険労務士の関谷です。

最低賃金というと、「時給で働く人に関係する制度」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。

しかし、実際には月給制や日給制の従業員にも適用されます。

また最低賃金は、給与総額だけを見ればよいわけではありません。

この記事では、最低賃金の確認方法や計算例、会社として確認したいポイントをわかりやすく解説します。

目次

最低賃金は時給の人だけの制度なのでしょうか?

最低賃金は雇用形態や賃金の支払い方法に関係なく適用されます。

最低賃金は、働く人に支払う賃金の最低額を定めた制度です。

そのため、時給制だけではなく、月給制や日給制、出来高払いなど、さまざまな賃金形態に適用されます。

月給制の場合は、月給を時間当たりの金額に換算して、地域別最低賃金以上になっているかを確認します。

勘違いしやすいポイント

「正社員だから」「月給制だから」という理由だけで最低賃金の確認が不要になるわけではありません。

最低賃金はどのように確認するのでしょうか?

給与を時間額へ換算し、地域別最低賃金と比較して確認します。

確認方法は賃金の支払い方法によって異なります。

例えば月給制の場合は、

(月給 ×12か月) ÷ (年間労働日数×1日の労働時間)

を計算します。

ただし、この「月給」は給与総額ではありません。

最低賃金との比較対象にならない手当を除いた金額で計算する必要があります。

最低賃金の計算で含めない給与がある?

最低賃金との比較では、すべての給与が対象になるわけではありません。

次の最低賃金の計算から除かれます。

  • 通勤手当
  • 家族手当
  • 精皆勤手当
  • 時間外・休日・深夜の割増賃金
  • 賞与
  • 臨時に支払われる賃金

そのため、給与明細の総支給額だけを見て判断することはできません。

計算例で確認してみましょう

実際の数字で確認すると、最低賃金の考え方がイメージしやすくなります。

例えば、次のような給与だったとします。

  • 基本給:200,000円
  • 通勤手当:15,000円
  • 時間外手当:25,000円
  • 年間労働日数:240日
  • 1日の労働時間数:8時間
  • 地域別最低賃金:1,050円

最低賃金との比較では、通勤手当は計算に含めません。

そのため、比較対象となる賃金は基本給200,000円です。

計算すると、

(200,000円 ×12か月)÷ (240日×8時間) = 1,250円

となります。

時間額は1,250円なので、この例では地域別最低賃金1,050円を上回っています。

一方で、基本給が160,000円だった場合は、

(160,000円 ×12か月)÷ (240日×8時間) = 1,000円

となります。

この場合、最低賃金を下回ってしまいます。

よくある誤解

例えば、以下のケースを考えてみます。

基本給:160,000円
通勤手当:15,000円
総支給額:175,000円

このケースでは、「175,000円支払っているから問題ない」と思われるかもしれません。

しかし、最低賃金との比較では、通勤手当は含めません。

そのため、160,000円を基に時間額を計算することになります。

給与総額ではなく、最低賃金の対象となる賃金で確認することが大切です。

会社としてどのように確認すればよいでしょうか?

最低賃金改定のタイミングで確認しておくことが大切です。

最低賃金は毎年改定されます。

給与を決めた当初は問題がなくても、最低賃金の改定によって見直しが必要になる場合があります。

会社では、次のような流れで確認すると安心です。

チェックリスト

  • 地域別最低賃金を確認する
  • 対象となる従業員を確認する
  • 給与の内訳を確認する
  • 月給制は時間額へ換算する
  • 必要に応じて給与を見直す

会社として気をつけたいポイント

最低賃金を満たすために一部の給与だけを見直すと、他の従業員との給与バランスに影響することがあります。

給与体系全体もあわせて確認すると安心です。

よくある質問

Q. 正社員も最低賃金の対象ですか?

はい。雇用形態に関係なく、原則として地域別最低賃金が適用されます。

Q. 通勤手当も含めて計算できますか?

通勤手当は最低賃金との比較対象には含めません。

Q. 毎年確認したほうがよいですか?

最低賃金は毎年改定されるため、改定時期に確認する必要があります。

まとめ

最低賃金は時給制だけではなく、月給制や日給制にも適用されます。

また、給与総額ではなく、最低賃金の対象となる賃金を時間額へ換算して確認することが重要です。

毎年の最低賃金改定にあわせて給与体系を確認しておくことで、安心して労務管理を行うことができます。

※今回は、月給制における最低賃金の確認方法をご紹介しましたが、日給制と月給制などが組み合わさっている場合や、歩合給制など、賃金の支払い方法によって確認方法が異なるケースもあります。該当する場合は、この後に掲載している厚生労働省の公式サイトをご確認ください。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント

最低賃金は給与総額ではなく、対象となる賃金を時間額へ換算して確認することが必要です。

※制度は改正されることがあります。実際の運用では、最新の地域別最低賃金や厚生労働省・都道府県労働局の公表内容をご確認ください。

公式サイト

最低賃金額以上かどうかを確認する方法(厚生労働省)

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この記事を書いた人

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