えるぼし認定とは?会社は取得を目指すべき?実務で最初に確認したいポイントを解説

こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、社会保険労務士の関谷です。

社会保険労務士として、法令に基づいた適切な労務管理を通じて、働く方が安心して働ける職場づくりと、経営者が本業に専念できる環境づくりをサポートしています。

最近では、人材確保や職場環境の改善に取り組む企業が増え、「えるぼし認定」という言葉を耳にする機会も多くなりました。

一方で、

「認定を取得すると何が変わるの?」

「自社でも取得できる制度なの?」

「まず何から始めればよいのだろう?」

と疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

この記事では、えるぼし認定・プラチナえるぼし認定・えるぼしプラスの概要をご紹介するとともに、会社として認定取得をどのように考えればよいのかを解説します。

制度の内容だけでなく、当事務所であればどのような順番で確認し、実務を整理していくかという視点もあわせてご紹介します。

目次

えるぼし認定とはどのような制度ですか?

えるぼし認定は、女性活躍の取組状況を評価する制度です。

「女性活躍を推進したい」と考える企業は年々増えています。

そのような企業の取組を一定の基準で評価する制度が、えるぼし認定です。

女性活躍推進法に基づき、女性が能力を発揮しやすい職場づくりに積極的に取り組む企業を厚生労働大臣が認定します。

認定には、

  • えるぼし認定(3段階)
  • プラチナえるぼし認定

があり、令和8年4月からは女性の健康支援への取組を評価する

  • えるぼしプラス
  • プラチナえるぼしプラス

も始まりました。

ただし、当事務所では「認定を取得すること」が目的ではないと考えています。

認定制度は、自社の現状を整理し、働きやすい職場づくりを進めるための一つの手段です。

そのため、「認定を取得できるか」だけではなく、「どのような課題があり、どのように改善していくか」を考えることが大切です。

会社はまず何を確認すればよいのでしょうか?

認定取得を考える前に、自社の現状を把握することが最も重要です。

認定制度を調べ始めると、「申請方法」や「認定基準」が気になるかもしれません。

しかし、当事務所では最初に制度を確認するのではなく、会社の現状を整理することから始めます。

例えば、次のような点を確認します。

女性が働き続けやすい職場になっているか

  • 採用状況
  • 平均勤続年数
  • 育児と仕事の両立支援
  • 管理職への登用状況
  • 働き方の柔軟性

これらは認定取得だけでなく、人材の定着にも大きく関わるポイントです。

人事データを把握できているか

えるぼし認定では、女性活躍に関する現状把握や課題分析が前提となります。

そのため、

「女性社員は何人いるのか」

「管理職に占める女性の割合はどうか」

「平均勤続年数に差はあるか」

などのデータを整理しておくことが重要です。

行動計画が会社の課題に合っているか

女性活躍推進法では、一般事業主行動計画を策定する企業があります。

行動計画は提出することが目的ではありません。

会社としてどのような課題があり、何を改善するための計画なのかを整理することが重要です。

当事務所では、認定取得を検討する際も「まず会社の現状を確認し、その結果に応じて取組を考える」という流れを大切にしています。

認定基準はどのような内容ですか?

えるぼし認定には5つの評価項目があります。自社の現状を客観的に確認する視点としても活用できます。

えるぼし認定では、女性活躍の状況について複数の評価項目が設けられています。

評価項目は次の5つです。

「女性の職業生活における活躍の状況に関する実績に係る基準」
  • 採用
  • 継続就業
  • 労働時間等の働き方
  • 管理職比率
  • 多様なキャリアコース

これらの評価項目について一定の基準を満たすことで、認定区分(1段階目から3段階目)が決まります。

当事務所では、「認定基準を満たせるか」だけを見るのではなく、「どの項目に課題があるのか」を確認することが重要だと考えています。

評価項目は、自社の女性活躍の現状を整理するためのチェックリストとしても活用できます。

なお、評価基準の詳細な数値や要件は制度改正により変更されることがあります。

最新の認定基準については、厚生労働省のリーフレットをご確認ください。

女性活躍推進法に基づくえるぼし認定プラチナえるぼし認定のご案内(厚生労働省)

認定取得までの流れはどのようになりますか?

認定申請は最後の手続きであり、その前段階の準備が最も重要です。

認定取得まで次のような流れで進みます。

  1. 自社の現状を把握する
  2. 課題を分析する
  3. 一般事業主行動計画を策定・届け出る
  4. 行動計画に沿って取組を進める
  5. 女性活躍に関する情報を公表する
  6. 認定基準を満たしていることを確認する
  7. 都道府県労働局へ認定申請を行う

申請だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、実際には申請前の準備期間が大きな割合を占めます。

当事務所でも、「申請書類を作ること」より先に、

  • 女性社員の採用状況
  • 管理職登用の状況
  • 勤続年数
  • 働き方の実態
  • 社内制度の運用状況

などを整理することから始めるケースが多くあります。

認定取得はゴールではなく、自社の働きやすさを見直すきっかけと考えることが大切です。

認定を取得するとどのようなメリットがありますか?

認定取得は採用や企業イメージの向上につながる可能性があります。

一般的には、認定を取得すると次のようなメリットがあります。

  • 認定マークを求人票やホームページなどで使用できる
  • 採用活動で企業の取組をアピールしやすくなる
  • 公共調達で評価対象となる場合がある
  • 一部の融資制度などで優遇措置の対象となる場合がある

ただし、認定取得だけで採用や定着が改善するわけではありません。

当事務所では、「認定を取得すること」を目的とするのではなく、その取組を通じて職場環境を改善し、結果として採用や定着につなげることが重要だと考えています。

認定取得を検討する際に考えたいポイント

えるぼし認定は、認定取得だけでなく、自社の職場環境や人材活用を見直すきっかけとして活用することが大切です。

えるぼし認定には、認定マークの活用や企業イメージの向上など、さまざまなメリットがあります。

当事務所では、それに加えて、認定取得に向けた取組を通じて、自社の現状や課題を整理できることも大きな意義の一つだと考えています。

例えば、次のような課題や目的がある会社では、認定取得に向けた取組が職場づくりを進めるきっかけになるかもしれません。

採用力を高めたい会社

求人への応募が少ない、採用競争が年々厳しくなっているという会社では、働きやすい職場づくりへの取組を分かりやすく伝える手段の一つとして活用できる可能性があります。

女性社員の定着や活躍を進めたい会社

「採用はできても定着しない」「管理職を目指す女性社員が少ない」といった課題がある場合には、認定取得に向けた取組を通じて、自社の課題を整理するきっかけになることがあります。

人事・労務管理を見直したい会社

認定取得には、現状把握や課題分析、一般事業主行動計画の策定・実施などが求められます。

そのため、これまで十分に整理できていなかった人事・労務管理を見直す機会にもなります。

認定取得を職場づくりにつなげることが大切です

認定取得は一つの目標ですが、その過程で自社の現状を把握し、より働きやすい職場づくりにつなげていくことも重要です。

当事務所では、認定取得に向けた取組を通じて、「どのような職場を目指したいのか」「そのために何を改善していくのか」を整理することが、継続的な人材確保や職場環境の向上につながると考えています。

えるぼしプラスとは何ですか?

えるぼしプラスは、女性の健康支援に積極的に取り組む企業を評価する制度です。

令和8年4月から、新たに「えるぼしプラス」「プラチナえるぼしプラス」が始まりました。

これは通常のえるぼし認定に加え、女性の健康支援に関する取組を評価する制度です。

例えば、

  • 柔軟な働き方や休暇制度
  • 女性の健康に関する方針の策定及び社内への周知
  • 研修等の実施
  • 相談体制の整備

などの取組が評価の対象となります。

女性の健康課題は個人だけの問題ではなく、働き続けやすい職場づくりにも関わるテーマです。

そのため、制度への対応だけでなく、「会社としてどのような配慮ができるか」という視点を持つことも重要ではないでしょうか。

えるぼしプラス・プラチナえるぼしプラス(厚生労働省)

会社として気をつけたいポイント

認定取得をゴールにせず、継続的な職場環境の改善につなげることが大切です。

認定制度は、一度取得すれば終わりというものではありません。

職場環境は、採用状況や従業員構成、会社の成長などによって変化していきます。

そのため、

  • 制度が実際に活用されているか
  • 女性が働き続けやすい環境になっているか
  • 管理職を目指しやすい職場になっているか

などを継続的に確認することが重要です。

当事務所でも、認定取得の可否だけではなく、「制度を活用して会社をより良くする」という視点で実務を整理することをおすすめしています。

勘違いしやすいポイント

女性管理職が少ないからといって、直ちに認定取得を諦める必要はありません。

「女性管理職が少ないから、うちの会社は認定を受けられないだろう」

そのように考える方もいらっしゃいます。

しかし、えるぼし認定は一つの項目だけで判断される制度ではありません。

採用や継続就業、働き方、多様なキャリアコースなど、複数の評価項目が設けられており、一定の要件を満たすことで認定を受けられる仕組みとなっています。

また、認定取得を目指す過程で自社の課題が見えてくることも少なくありません。

当事務所では、「認定を取得できるかどうか」を最初に判断するのではなく、「どこを改善すると、より働きやすい職場になるのか」という視点で整理することをおすすめしています。

よくある質問

認定取得に関する疑問は多くありますが、まずは自社の現状を把握することが出発点です。

Q. 中小企業でも取得できますか?

企業規模にかかわらず、認定基準を満たせば取得を目指すことができます。

ただし、認定取得には現状把握や一般事業主行動計画の策定・実施などが必要となるため、まずは自社の状況を整理することが大切です。

Q. 女性管理職が少なくても認定を取得できますか?

女性管理職の割合だけで認定の可否が決まるわけではありません。

えるぼし認定では、採用や継続就業、労働時間など複数の評価項目が設けられています。

詳細な認定基準については、厚生労働省の最新のリーフレットをご確認ください。

Q. 認定取得にはどれくらい時間がかかりますか?

会社の現状によって異なります。

すでに女性活躍に関する取組が進んでいる会社もあれば、まず人事データの整理や行動計画の策定から始める会社もあります。

そのため、「いつ認定を取得できるか」よりも、「どのような順番で準備を進めるか」を考えることが重要です。

Q. 認定を取得すると更新手続きは必要ですか?

認定の種類によっては、継続的な情報公表などが求められるものがあります。

取得後も制度を維持し、職場環境の改善を続けていくことが大切です。

まとめ

えるぼし認定は、認定取得そのものではなく、自社の働きやすい職場づくりを見直すための制度として活用することが大切です。

えるぼし認定は、女性活躍を積極的に進める企業を評価する制度です。

しかし、当事務所では認定取得だけを目的にするのではなく、

  • 自社の現状を把握する
  • 課題を整理する
  • 改善策を考える
  • 継続的に取り組む

という流れを大切にしています。

認定取得をきっかけとして、自社の人事・労務管理を見直すことが、結果として採用や人材定着、働きやすい職場づくりにつながるのではないでしょうか。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント

えるぼし認定は認定取得を目的にする制度ではなく、自社の現状を整理し、継続的な職場環境の改善につなげるための制度として活用することが大切です。

認定制度や認定基準は制度改正により変更されることがあります。

認定取得を検討される際は、厚生労働省の最新情報も確認しながら進めることをおすすめします。

公式資料

女性活躍推進法に基づくえるぼし認定プラチナえるぼし認定のご案内(厚生労働省)

えるぼしプラス・プラチナえるぼしプラス(厚生労働省)

女性活躍推進法特集ページ(厚生労働省)

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当事務所が大切にしている労務管理の考え方

当事務所では、「労使双方が制度を正しく理解し、日頃から話し合える職場づくりが、労使トラブルの予防につながる」と考えています。

労使トラブルは、問題が起きてから対応するよりも、未然に防ぐことが大切です。

トラブルの多くは、制度を知らなかったことや、事前の認識の違いから生じます。

日頃からルールを整え、制度を正しく理解しておくことで、防げるトラブルは少なくありません。

社会保険労務士として、法令に基づいた適切な労務管理を通じて、働く方が安心して働ける職場づくりと、経営者が本業に専念できる環境づくりをサポートしています。

そのため、就業規則の作成・変更や労働・社会保険の各種手続きだけでなく、日々の労務相談を通じた「予防型」の労務管理にも力を入れています。

「この対応で本当に大丈夫だろうか」

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そのようなお悩みや、「まだ相談するほどではないかもしれない」と感じる内容でも、お気軽にご相談ください。

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就業規則の作成から日々の労務相談、総務・人事業務のアウトソーシングまで幅広く対応しています。

例えば、次のようなサポートをご提供しています。

  • 就業規則や社内規程の作成・見直し
  • 日々の労務相談
  • ハラスメント防止体制の整備・ご相談
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この記事を書いた人

「おっきなでんしゃ社会保険労務士事務所」代表の関谷と申します。豊かな自然とあたたかい人々に恵まれたこの新潟の地で、家族とともに日々の暮らしを楽しみながら、社会保険労務士として地域の企業様中心にをサポートさせていただいております。

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