高校生アルバイトを雇うときの注意点は?18歳未満の労働時間や深夜勤務のルールを解説

こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、社会保険労務士の関谷です。

社会保険労務士として、法令に基づいた適切な労務管理を通じて、働く方が安心して働ける職場づくりと、経営者が本業に専念できる環境づくりをサポートしています。

高校生など、満18歳未満の方をアルバイトとして採用する場合には、通常のアルバイトと同じ労務管理だけでは足りないことがあります。

この記事では、厚生労働省の資料をもとに、労働時間、深夜勤務、年齢確認、仕事内容など、会社が採用時・勤務時に確認しておきたいポイントをできるだけ分かりやすく整理します。

目次

高校生アルバイトにも労働基準法は適用される?

高校生のアルバイトも会社に雇われて働く「労働者」であり、さらに満18歳未満の場合には年齢に応じた特別なルールも確認する必要があります。

「学生のアルバイトだから、一般の従業員とは少し違うのでは?」

採用する側からすると、そのように感じることもあるかもしれません。

しかし、高校生であっても、会社に雇われて働くアルバイトには労働基準法などのルールが適用されます。

さらに、労働基準法では、満18歳未満の方を「年少者」として、健康や安全などを守るための特別な制限を設けています。

そのため、高校生アルバイトを採用するときには、

「高校生だから注意する」

というより、

「この方は満18歳未満なのか」

という年齢の確認が重要になります。

同じ高校生でも、すでに18歳になっている方と、まだ17歳の方では、適用されるルールが一部異なるためです。

高校生アルバイトを採用するときは何を確認する?

採用時には、労働条件を書面などで明確にしたうえで、本人と契約し、18歳未満の場合は年齢を確認できる書類も準備しておくことが大切です。

まず押さえておきたいのが、採用するときの手続きです。

労働条件はきちんと伝える

高校生のアルバイトであっても、

  • どこで働くのか
  • どのような仕事をするのか
  • 何時から何時まで働くのか
  • 休憩や休日はどうなるのか
  • 時給はいくらなのか
  • 契約期間はいつまでなのか

といった労働条件を明確にする必要があります。

厚生労働省の資料でも、特に重要な労働条件については、口約束だけではなく、原則として書面を交付して明示することが示されています。

「アルバイトだから簡単な説明だけでよい」というわけではありません。

採用後の「聞いていた勤務時間と違う」「時給の計算方法が分からない」といった行き違いを防ぐためにも、最初に条件を整理しておくことが大切です。

労働契約を結ぶのは本人

満18歳未満であっても、労働契約そのものは働く本人が結びます。

親や後見人が本人に代わって労働契約を結ぶものではありません。

保護者との確認が必要になる場面があったとしても、

「保護者と契約する」

という考え方ではない点には注意しておきましょう。

年齢を確認できる書類を備えておく

18歳未満の年少者を雇う場合には、事業場に年齢を証明する公的な書面を備え付ける必要があります。

これは、後から年齢を確認するためだけではありません。

このあと説明する深夜勤務や仕事内容など、年齢によって会社の対応が変わるため、採用時点で年齢を正確に把握しておく必要があるということです。

18歳未満のアルバイトは何時間まで働ける?

18歳未満の年少者には原則として時間外労働や休日労働をさせることができないため、シフト作成の段階から通常の従業員とは分けて確認することが重要です。

一般的な労働時間の基本は、

1日8時間、1週間40時間

です。

また、労働時間が6時間を超える場合には途中に45分以上の休憩を与え、原則として毎週1日の休日を設ける必要があります。

ここまでは、高校生だけのルールではありません。

18歳未満の場合に特に注意したいのが、原則として時間外労働や休日労働をさせることができない点です。

「忙しいから今日は少し残って」が問題になることも

たとえば、飲食店で17歳の高校生が夕方からアルバイトをしていたとします。

お店が混雑し、

「今日は忙しいから30分だけ残ってもらおう」

ということがあるかもしれません。

しかし、予定していた勤務時間を延ばす場合には、年少者の労働時間の制限に触れないかを確認する必要があります。

特に、

  • 繁忙期
  • 閉店作業
  • 急な欠勤者の穴埋め
  • シフト交代

などで勤務時間が伸びやすい職場は注意が必要です。

なお、年少者の労働時間には一部例外的な取扱いもありますが、勤務制度によって判断が変わるため、変形労働時間制などを利用している会社では個別に確認した方が安心です。

18歳未満のアルバイトは夜何時まで働ける?

満18歳未満の年少者は原則として午後10時から翌朝5時まで働かせることができないため、特に閉店時間の遅い職場ではシフト管理が重要です。

高校生アルバイトを雇う際に、特に分かりやすく注意したいのが深夜勤務です。

満18歳未満の年少者は、原則として、

午後10時から翌朝5時まで

の時間帯に働かせることができません。

たとえば、22時閉店のお店だからといって、

「22時まで接客して、そのあと片付けをして22時15分に退勤」

というシフトにしてしまうと注意が必要です。

大切なのは、お店の営業時間ではなく、本人が実際に働く時間です。

18歳の高校生はどうなる?

ここは混同しやすいところです。

この年少者に対する深夜業の制限は、基本的に「高校生かどうか」ではなく「満18歳未満かどうか」で確認します。

そのため、同じ高校3年生でも、

  • 17歳の方
  • すでに18歳になった方

では、この規定の適用関係が異なります。

だからこそ、採用時に生年月日を確認し、年齢を把握しておくことが大切です。

18歳未満には任せられない仕事がある?

18歳未満の年少者には危険・有害な仕事への就業制限があるため、採用時には勤務時間だけでなく「何をさせるのか」まで確認する必要があります。

18歳未満の方を雇う場合、注意するのは勤務時間だけではありません。

仕事内容にも制限があります。

厚生労働省の資料では、危険または有害な業務の例として、

  • 重い物を取り扱う一定の業務
  • 運転中の機械の掃除・検査・修理など
  • 一定のクレーンや大型トラックなどの運転・取扱い
  • 高所で墜落のおそれがある業務
  • 足場の組立てなど
  • 感電の危険性が高い業務
  • 有害物や危険物を取り扱う業務
  • 著しく高温・低温となる場所での業務
  • 酒席に侍する業務
  • バー、キャバレー、クラブなど一定の遊興的接客業
  • 坑内での労働

などが挙げられています。

すべての高校生アルバイトで問題になるわけではありませんが、製造業、建設業、運送業、飲食業などでは特に、

「この作業を18歳未満の方に担当してもらってよいか」

という視点を持っておく必要があります。

雇入れ時の安全教育も必要

アルバイトであっても、雇入れ時には従事する業務に関する安全衛生教育が必要です。

「簡単な仕事だから説明しなくても分かるだろう」

ではなく、

  • どこに危険があるのか
  • どのような作業は禁止されているのか
  • 困ったときは誰に確認するのか

などを最初に伝えておくことが、事故を防ぐうえでも大切です。

また、アルバイトであっても、業務や通勤が原因となった災害については労災保険の対象となります。

高校生アルバイトを雇う会社のチェックポイントは?

採用時・シフト作成時・仕事を任せるときの3段階で確認項目を決めておくと、18歳未満のアルバイトを適切に管理しやすくなります。

高校生アルバイトを採用する会社では、次のように確認項目を分けておくと実務で管理しやすくなります。

採用するとき

□ 生年月日と年齢を確認したか

□ 労働条件を明示したか

□ 本人と労働契約を結んでいるか

□ 年齢を証明する公的な書面を備え付けているか

□ 最低賃金を下回る時給になっていないか

シフトを作るとき

□ 1日・1週間の労働時間に問題がないか

□ 必要な休憩時間を確保しているか

□ 休日が確保されているか

□ 18歳未満の方に時間外・休日労働をさせる勤務になっていないか

□ 午後10時以降の勤務になっていないか

実際に仕事を任せるとき

□ 年齢によって制限される危険・有害業務ではないか

□ 雇入れ時の安全衛生教育を行ったか

□ 店長や現場責任者も年少者の勤務ルールを理解しているか

特に重要なのは、採用担当者だけが知っていても十分ではないという点です。

実際にシフトを変更する店長や現場責任者が、

「17歳だから22時以降は働かせない」

と判断できる状態にしておく必要があります。

高校生アルバイトについて勘違いしやすいポイントは?

「高校生だから」という学校上の区分だけで判断せず、実際の年齢と勤務内容を確認することが年少者の労務管理では重要です。

よくある誤解:「高校生は全員22時以降働けない」

分かりやすくするために「高校生は22時まで」と説明されることがありますが、労働基準法上の年少者の規制を考えるときは、「高校生かどうか」ではなく「満18歳未満かどうか」が重要です。

18歳になっている高校生と、17歳の高校生とでは、年少者に関する規定の適用が異なります。

ただし、会社によっては誕生日前後において取り扱いを変えると確認作業や管理が煩雑になるため、「高校生は一律22時以降は就業禁止」としているケースも見受けられます。

高校生アルバイトについてよくある質問

高校生アルバイトで迷いやすい場面も、学校区分ではなく年齢・実際の労働時間・仕事内容の3点から考えると整理しやすくなります。

Q1.高校生なら必ず22時までに帰らせなければいけませんか?

満18歳未満の場合は、原則として午後10時から翌朝5時まで働かせることができません。

そのため、22時は「退勤時刻」として考える必要があります。

一方、すでに18歳になっている高校生については、この年少者に対する深夜業の制限とは分けて考えます。

学校の校則や都道府県の条例など、労働法とは別のルールがある場合もありますので、必要に応じて確認しておくとよいでしょう。

Q2.保護者に労働契約書へ署名してもらえばよいですか?

労働契約を結ぶのは、働く本人です。

親や後見人が本人に代わって労働契約を結ぶものではありません。

保護者への確認や同意をどのように取り扱うかと、「誰が労働契約の当事者になるか」は分けて考えましょう。

Q3.高校生なら最低賃金より低い時給でもよいですか?

高校生やアルバイトであることだけを理由に、最低賃金を下回る時給にしてよいわけではありません。

賃金は都道府県ごとに定められた最低賃金を下回ってはならないとされています。

採用時には、現在適用されている最低賃金も確認しましょう。

まとめ

18歳未満のアルバイトを雇うときは、年齢確認を出発点として、労働条件・シフト・深夜勤務・仕事内容まで一連の流れで確認することが大切です。

高校生などのアルバイトを採用すること自体は、多くの会社やお店で日常的に行われています。

一方、満18歳未満の「年少者」については、健康や安全などを守るため、通常の労働者とは異なるルールがあります。

特に会社として確認しておきたいのは、

  • 採用時に年齢を確認する
  • 労働条件をきちんと明示する
  • 年齢を証明する書面を備え付ける
  • 時間外・休日労働の制限を確認する
  • 22時以降の深夜勤務をさせない
  • 年齢によって制限される仕事をさせない
  • 雇入れ時の安全衛生教育を行う

といった点です。

なかでも実務では、採用時には確認できていたものの、現場でシフト変更をした結果、勤務時間がルールを超えてしまうということがないよう、店長や現場責任者までルールを共有しておくことが重要です。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント

高校生など満18歳未満の方をアルバイトとして雇う場合は、「高校生だから」と一括りにせず、本人の年齢を確認したうえで労働時間・深夜勤務・仕事内容など年少者特有のルールを会社全体で管理しましょう。

なお、この記事は厚生労働省の2026年4月版資料をもとに一般的な考え方を整理しています。制度や取扱いが変更される場合もあるため、実際の採用や勤務体制を判断するときは最新情報をご確認ください。

高校生を採用したいものの、「今のシフトで問題ないか」「この仕事を任せても大丈夫か」など、実際の運用で判断に迷う場合には、個別の勤務状況を整理したうえで確認することをおすすめします。

公式資料

確かめよう!アルバイトの労働条件!(厚生労働省)

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この記事を書いた人

「おっきなでんしゃ社会保険労務士事務所」代表の関谷と申します。豊かな自然とあたたかい人々に恵まれたこの新潟の地で、家族とともに日々の暮らしを楽しみながら、社会保険労務士として地域の企業様中心にをサポートさせていただいております。

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