
こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、社会保険労務士の関谷です。
むずかしく聞こえがちな制度の話も、「考え方」からやさしくお伝えします。
この記事では、離婚時の年金分割の請求期限が「2年から5年に延びる」制度改正について、
何が変わるのか・なぜ変わるのかを解説します。
結論として、年金分割は急いで決めなくてもよい制度へと見直され、離婚後に落ち着いて考えやすくなります。
離婚時の年金分割って、そもそも何?
離婚時の年金分割とは、結婚している間に積み立てた厚生年金を、夫婦で分け合える制度です。
結婚中、一方が働き、もう一方が家事や育児を担っていた場合でも、
その期間の年金は夫婦が一緒に作ってきたものと考えます。
そのため離婚する際、結婚していた期間分の厚生年金について、
将来受け取る年金額を分けられる仕組みが用意されています。
なお、分けられるのは厚生年金の一部のみで、今すぐお金がもらえる制度ではありません。
これまでの「2年期限」はなぜ短いと言われていたのか
離婚直後の2年間は、年金まで考える余裕がない人が多かったからです。
これまでは、離婚から2年以内に請求しないと年金分割ができませんでした。
ただ現実には、離婚直後は次のようなことで手一杯になりがちです。
- 住まいや仕事の立て直し
- 子どもの生活や学校のこと
- 収入や家計の見直し
- 気持ちの整理
こうした状況の中で、将来の年金まで考えるのは難しいという声が以前から多くありました。
今回の改正で、何がどう変わるのか
年金分割の請求期限が、離婚後「2年」から「5年」に延びます。
今回の制度改正では、年金分割の請求期限が5年に延長されます。
これにより、離婚後すぐに判断できなくても、生活や気持ちが落ち着いてから検討する余地が広がります。
「今すぐ決めないと使えない制度」ではなく、
「将来を見据えて、あとから考えてもいい制度」へ近づいたイメージです。
なぜ期限が5年に延びたのか
他の制度と考え方をそろえ、現実に合う形へ調整されたからです。
背景には、財産分与の請求期限が2年から5年に延びた流れがあります。
年金分割も「離婚後の生活を支える制度」の一つであるため、制度同士の考え方のズレを整えた形です。
大切なのは、この改正が
- 離婚を勧めるための制度ではない
- 将来の生活保障を、現実に合わせた見直し
という点です。
実務で気をつけたいポイント
期限が延びても、「知っているかどうか」で結果が変わる点は同じです。
- 年金分割は自動ではなく請求が必要
- 会社が直接手続きするものではない
- ただし、従業員から相談される可能性はある
- 以前のように「もう期限切れですね」と即断しなくてよくなる
感情面の配慮も必要なテーマなので、法律論より考え方を伝えることが大切です。
よくある質問
Q. いつの離婚から対象となりますか?
2026年(令和8年)4月1日以降に離婚した場合が対象になります。
この日以降の離婚であれば、年金分割の請求期限は離婚から5年以内となります。
一方で、2026年3月31日以前に離婚している場合は、
これまでどおり 離婚から2年以内 が請求期限となります。
※どちらが適用されるかは「離婚した日」が基準になるため、
時期によって扱いが変わる点には注意が必要です。
まとめ
- 年金分割は将来の年金額に影響する制度
- 請求期限が2年→5年に延長
- 離婚後に余裕をもって考えやすくなる
- 「知らなかった」で不利益が出やすい点は変わらない

社会保険労務士 関谷聡の実務ワンポイント
年金分割は、離婚直後に無理して決めるものではなく、
落ち着いて将来を考えてから検討できる制度へ見直されます。
※本記事は執筆時点の制度内容をもとに整理しています。
制度は今後変更される可能性がありますので、最新情報は公的機関でご確認ください。
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