
こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、
社会保険労務士の関谷です。
「人が足りない」「採用しても定着しない」と感じる会社は増えています。
一方で、単純に人数を増やすだけでは解決しないケースも少なくありません。
今回は、名古屋商工会議所の「少数精鋭経営 実行計画策定ガイドブック」をもとに、
中小企業が“少ない人数でも回る会社”をつくるために、どんな視点が必要なのかを整理します。
「人を増やす前に見直せること」を考えるきっかけとして、参考にしていただければと思います。
少数精鋭経営とは「少ない人数で無理をすること」ではない
少数精鋭経営は、人を減らして頑張ることではなく、“限られた人数でも回る仕組み”をつくる考え方です。
「少数精鋭」という言葉を聞くと、
- 少人数で長時間働く
- 一人に多くを任せる
- 効率だけを重視する
というイメージを持たれることがあります。
ただ、今回のガイドブックで紹介されている考え方は少し違います。
ポイントは、
「人が少なくても、業務が属人化せず、利益を出しやすい状態をつくる」
という点です。
つまり、
- 特定の人しか分からない仕事を減らす
- 判断基準を共有する
- ムダな作業を減らす
- 教育しやすくする
といった「仕組みづくり」が中心になります。
なぜ今「人数を増やす」だけでは難しいのか
採用環境が厳しくなる中で、“今いる人数でどう回すか”を考える必要性が高まっています。
中小企業では、
- 採用しても応募が少ない
- 教育する余裕がない、教育してもすぐに辞めてしまう
- ベテラン依存になっている
- 退職すると業務が止まる
といった悩みがよくあります。
特に最近は、単純に「採用を増やせば解決する」とは言いにくい状況もあります。
そのため、
- そもそも業務量は適切か
- やらなくてもいい仕事はないか
- 判断が複雑すぎないか
- 引き継ぎしやすい状態か
といった視点で見直す会社も増えています。
会社として気をつけたいポイント
「人手不足だから仕方ない」で長時間労働が常態化すると、
採用・定着の両方がさらに難しくなることがあります。
そのため、
- 業務改善
- 役割整理
- 優先順位の見直し
も合わせて考えることが重要です。
少数精鋭経営で見直されやすいポイント
業務整理・教育・情報共有など、“人に依存しすぎない状態”をつくることが重要になります。
業務の棚卸しをする
まずは、
- 何の仕事があるか
- 誰かしかできないか
- 本当に必要か
を整理します。
実際には、
- 昔から続いているだけの業務
- 二重入力
- 社長確認が必要ない作業
などが見つかることもあります。
「一人前」の基準を明確にする
教育が難しくなる理由の一つに、
「何ができれば合格なのか分からない」
という状態があります。
例えば、
- 電話対応
- 見積作成
- 顧客対応
についても、
- どこまでできればよいか
- どこから相談が必要か
を整理すると、教育しやすくなります。
情報共有をしやすくする
属人化が進むと、
- 休むと仕事が止まる
- 引き継ぎできない
- 新人教育に時間がかかる
という状態になりやすくなります。
そのため、
- マニュアル化
- 動画共有
- チャット活用
- AI活用
などを少しずつ取り入れる会社もあります。
実際にはどこから手をつければいい?
まずは「忙しい原因」を整理し、負担が大きい部分から見直す進め方がおすすめです。
いきなり大きく変える必要はありません。
例えば、
- 社員が時間を使っている業務を書き出す
- 「やめられる仕事」がないか確認する
- 属人化している仕事を探す
- 判断基準を共有する
- マニュアル化できる部分を増やす
という流れでも十分効果が出ることがあります。
勘違いしやすいポイント
「DXを入れれば解決する」と考えられることもありますが、
実際には、
- 業務整理
- ルール整理
- 運用の統一
が先になるケースも少なくありません。
よくある質問
Q. 少人数化を目指すという意味ですか?
必ずしもそうではありません。
「人数を減らす」のではなく、
「人数が限られていても回りやすい状態」を目指す考え方に近いです。
Q. 小さい会社でもできますか?
むしろ、小規模企業ほど属人化しやすいため、
業務整理や情報共有の効果が出やすい場合があります。
Q. 社長しか判断できない状態でも改善できますか?
一度に変えるのは難しくても、
- 判断基準を整理する
- よくあるケースを共有する
だけでも、少しずつ改善できることがあります。
まとめ
人手不足への対応というと、採用ばかりに目が向きやすいですが、
- 業務整理
- 属人化対策
- 教育しやすい仕組みづくり
によって改善する部分もあります。
特に、
- 「忙しいのに利益が残らない」
- 「特定の人に仕事が集中している」
- 「引き継ぎが難しい」
と感じている場合は、一度業務全体を見直してみるのもよいかもしれません。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント
少数精鋭経営は、「少人数で無理をする」のではなく、“今の人数でも回る仕組み”を整える考え方です。
参考資料
少数精鋭経営 実行計画策定ガイドブック(名古屋商工会議所)
お問い合わせについて
お問い合わせは、お問い合わせフォームまたは公式LINEから受け付けています。
なお、当事務所では、就業規則の作成・変更や各種手続きに加え、
総務・人事業務のアウトソーシングにも対応しています。
業務の範囲は、お客様のご状況やご要望に応じて柔軟に決めることができます。
社会保険の定時決定(算定基礎届)や労働保険の年度更新といった定期業務のほか、
助成金や日々の労務相談など、必要な業務のみをお任せいただくことも可能です。
「自社で対応できているか不安」
「どこまで任せられるのか知りたい」といったご相談のほか、
「社内で管理するのが大変なので任せたい」
「本業に集中するために任せたい」
「担当者がいない・引き継ぎが不安」
といったお悩みにも対応しています。
法改正や制度変更など、実務に影響のあるブログを更新した際は、公式LINEでお知らせしています。
よろしければ、この機会に公式LINEのご登録もご検討ください。
ご相談・お問い合わせ
お気軽にお問い合わせください









コメント