
こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、社会保険労務士の関谷です。
この記事では、「えるぼし認定制度」の基本的な仕組みと、2026年4月に創設予定とされている「えるぼしプラス(仮称)」について解説します。
制度の全体像を知ることで、「うちは関係あるのか?」「何を準備すればよいのか?」を整理できる内容になっています。
女性活躍の制度は名前だけ聞くと難しそうですが、実は「会社の体制づくり」を見直すきっかけにもなる制度です。
※この記事は「令和8年の法改正スケジュール一覧」で紹介した「えるぼし認定制度の見直し」の詳細記事です。令和8年の法改正全体を確認したい方は、親記事もあわせてご覧ください。
令和8年の法改正スケジュール一覧|人事・労務担当者がまず把握しておきたい全体像
えるぼし認定制度とはどんな制度ですか?
えるぼし認定は、女性活躍の取り組みが優良な企業を国が認定する制度です。
えるぼし認定は、「女性活躍推進法」に基づき、女性の活躍推進に関する取り組みが優良な企業を厚生労働大臣が認定する制度です。
前提として、企業はまず
- 自社の状況把握
- 一般事業主行動計画の策定・公表
- 労働局への届出
という流れを行います。
そのうえで、一定の基準を満たした企業が認定を受けられます。
認定を受けると、認定マークを求人票やホームページなどに表示でき、
企業イメージの向上や人材確保につながるとされています。
えるぼし認定の評価基準は何で決まるのですか?
えるぼしは5つの評価項目をどれだけ満たしているかで段階が決まります。
えるぼし認定には3段階(★1〜★3)があります。
評価の中心となるのは、次の5項目です。
- 採用
- 継続就業
- 労働時間等の働き方
- 管理職比率
- 多様なキャリアコース
たとえば、
- 男女の採用状況に大きな差がないか
- 女性が長く働き続けられているか
- 残業時間が一定水準以下か
- 管理職に女性がどれくらいいるか
- 非正社員から正社員への転換
といった点が見られます。
★1は1〜2項目達成、★2は3〜4項目、★3は5項目すべて達成といった仕組みです。
また、認定後も毎年データを公表する必要があります。
プラチナえるぼしとは何が違うのですか?
プラチナえるぼしは、えるぼしよりも高い水準が求められる上位認定です。
プラチナえるぼしは、えるぼし認定企業のうち、さらに高い水準を満たした企業が対象です。
主な特徴は、
- 5項目すべてを満たすこと
- 行動計画の目標達成
- 情報公表項目を8項目以上公表
などが求められます。
認定を受けると、一般事業主行動計画の策定・届出が免除されるというメリットもあります。
2026年4月創設予定の「えるぼしプラス」とは?
えるぼしプラスは、既存の認定に上乗せされる新しい追加認定です。
2026年4月に「えるぼしプラス(仮称)」が創設される予定とされています。
ポイントは、
- ★1〜★3、プラチナのどの段階にも“プラス”できる
- 既存の評価とは別の追加認定
という位置づけです。
認定要件としては、女性の健康上の特性に配慮した休暇制度とともに、
- 半日単位・時間単位の有給休暇
- 所定外労働の制限
- 時差出勤
- フレックスタイム制
- 短時間勤務
- テレワーク
などのうち、いずれかを利用できることが示されています。
なお、これらの制度は女性限定でなくても差し支えないとされています。
つまり、従来の「数値中心」の評価に加え、
柔軟な働き方や配慮体制も評価対象にする方向と考えられます。
※制度の詳細は今後公表される可能性があります。
会社として今から確認しておきたいポイントは?
すでにある制度が認定要件に該当するかを整理しておくことが大切です。
今の段階でできることは、
- 半日有休や時間単位有休はあるか
- テレワーク制度は整備されているか
- 就業規則に明文化されているか
- 実際に利用しやすい雰囲気があるか
を確認することです。
制度はあるが「使われていない」というケースも少なくありません。
今回の見直しは、
「制度があること」だけでなく「実際に機能しているか」を問う方向に進んでいると考えられます。
公式資料
制度の詳細や具体的な算定方法については、厚生労働省の資料が参考になります。
※上記パンフレットは令和6年11月時点で作成された資料です。
えるぼし認定制度の基本的な仕組みや認定基準の考え方を理解するうえで参考になりますが、その後の見直し内容(⼥性の活躍に関する情報公表の対象拡大、えるぼしプラスの創設予定など)については、公表される最新情報もあわせて確認するようにしてください。
評価基準の細かい算定方法や、公表方法の画面イメージまで掲載されていますので、
「自社で申請を検討している」という場合は一度目を通しておくと安心です。
よくある質問
Q1. 中小企業でも取得できますか?
可能です。常時雇用労働者100人以下の場合は努力義務の部分もありますが、申請自体は可能です。
Q2. 取得しないと罰則はありますか?
認定取得は義務ではありません。ただし、行動計画策定や情報公表は企業規模により義務となります。
Q3. 公共調達に影響しますか?
認定企業は公共調達で加点評価の対象となる場合があります。
まとめ
- えるぼしは5つの評価項目で段階認定
- プラチナはさらに高水準
- 2026年4月に「えるぼしプラス」創設予定
- 柔軟な働き方制度が評価対象に加わる見込み

社会保険労務士 関谷聡の実務ワンポイント
えるぼし制度は「女性活躍の数字」だけでなく、
これからは「働きやすい環境づくり」まで見られる方向に広がっています。
制度を“取るため”だけではなく、
「自社の環境を整える指標」として活用することが大切です。
※本記事は執筆時点の制度内容をもとに整理しています。
制度は今後変更される可能性がありますので、最新情報は公的機関でご確認ください。
ご相談・お問い合わせについて
当事務所が大切にしている労務管理の考え方
当事務所では、「労使双方が制度を正しく理解し、日頃から話し合える職場づくりが、労使トラブルの予防につながる」と考えています。
労使トラブルは、問題が起きてから対応するよりも、未然に防ぐことが大切です。
トラブルの多くは、制度を知らなかったことや、事前の認識の違いから生じます。
日頃からルールを整え、制度を正しく理解しておくことで、防げるトラブルは少なくありません。
社会保険労務士として、法令に基づいた適切な労務管理を通じて、働く方が安心して働ける職場づくりと、経営者が本業に専念できる環境づくりをサポートしています。
そのため、就業規則の作成・変更や労働・社会保険の各種手続きだけでなく、日々の労務相談を通じた「予防型」の労務管理にも力を入れています。
「この対応で本当に大丈夫だろうか」
「まだトラブルにはなっていないが、一度専門家に確認しておきたい」
そのようなお悩みや、「まだ相談するほどではないかもしれない」と感じる内容でも、お気軽にご相談ください。
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