通勤手当は残業代の計算に入れる?会社が知っておきたい割増賃金の基本

こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、

社会保険労務士の関谷です。

「通勤手当は除外できると聞いたことがあるけれど本当でしょうか」。

「残業代の計算に住宅手当は含めるのでしょうか」

残業代の計算は毎月行うものですが、

実は手当の扱いについて誤解されているケースも少なくありません。

この記事では、残業代(割増賃金)を計算する際の「基礎となる賃金」について解説します。

どの手当が除外できるのか、どのような場合は除外できないのかを、

できるだけわかりやすくご紹介します。

目次

残業代の計算のもとになる賃金とは何でしょうか

残業代は基本給だけでなく、原則として各種手当も含めて計算する必要があります。

時間外労働や休日労働、深夜労働を行った場合、

会社は一定以上の割増賃金を支払う必要があります。

このとき、

「残業代の計算は基本給だけで行えばよい」

と思われることがありますが、実際にはそうではありません。

所定労働時間に対して支払われる賃金をもとに計算します。

そのため、基本給だけでなく各種手当も計算対象になることがあります。

除外できる手当は決まっているのでしょうか

残業代計算から除外できる手当は法律上限定されており、会社が自由に決められるものではありません

割増賃金の基礎となる賃金から除外できるものは限定されていて、次の7つです。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

ただし、名称だけで判断してはいけません。

ここが実務上とても重要なポイントです。

家族手当・通勤手当・住宅手当はすべて除外できるのでしょうか

手当の名前ではなく、どのような基準で支給しているかによって判断されます。

家族手当の場合

家族手当は、扶養家族の人数などを基準に支給する場合に除外できるとされています。

例えば、

  • 配偶者がいる場合は〇円
  • 子ども1人につき〇円

という支給方法です。

一方で、

  • 全社員に一律15,000円支給

のような場合は、家族手当という名前でも除外できません。

通勤手当の場合

通勤距離や実際にかかる通勤費用に応じて支給するものは除外対象となります。

例えば、

  • 定期代の実費支給
  • 通勤距離に応じた支給

などです。

一方で、

  • 通勤距離に関係なく全員に同額支給

という場合は除外できませんので注意が必要です。

住宅手当の場合

住宅にかかる費用を基準として算定する場合は除外対象になります。

例えば、

  • 家賃額に応じて支給額が変わる
  • ローン返済額に応じて支給額が変わる

といったケースです。

一方で、

  • 賃貸は2万円
  • 持ち家は1万円

というように住宅の区分だけで一律支給する場合は、除外できません。

よくある誤解に注意しましょう

割増賃金の計算から除外できるかどうかは、手当の名称ではなく支給方法によって判断されます。

勘違いしやすいポイント

「住宅手当と書いてあるから除外できる」

「家族手当だから当然対象外」

と考えられることがあります。

しかし、実際には手当の名称ではなく支給基準が重要です。

同じ名称の手当でも、

  • 除外できるケース
  • 除外できないケース

があります。

そのため、給与規程や支給ルールを確認することが大切です。

会社として確認したいポイント

給与計算の方法だけでなく、手当の支給ルールそのものを確認することが重要です。

次のような点を確認してみましょう。

チェックリスト

□ 残業代計算の基礎賃金を確認しているか

□ 除外している手当に根拠があるか

□ 手当の名称だけで判断していないか

□ 給与規程の内容と実際の運用が一致しているか

□ 以前からの運用を見直しているか

長年同じ方法で給与計算をしている場合でも、一度確認してみることをおすすめします。

よくある質問

Q. 通勤手当は必ず除外できますか

必ずとは限りません。

実際の通勤費用や通勤距離に応じて支給しているかなど、支給方法によって判断が変わります。

Q. 住宅手当を支給していれば除外できますか

住宅手当という名称だけでは判断できません。

住宅費用との関係や支給基準を確認する必要があります。

Q. 資格手当は除外できますか

資格手当は、法律で定められた除外項目には含まれていません。

割増賃金の基礎に含まれます。

まとめ

残業代計算では手当の名前ではなく、どのような基準で支給しているかが重要です。

残業代の計算では、

  • 基本給だけでなく各種手当も確認する
  • 除外できる手当は限定されている
  • 手当の名称だけでは判断できない

という点を押さえておくことが大切です。

特に住宅手当や家族手当、通勤手当は誤解されやすいポイントです。

給与規程や支給方法を改めて確認することで、

現在の運用が適切かどうかを見直すきっかけになるかもしれません。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント

残業代の計算では、「○○手当」という名前ではなく、実際の支給基準によって割増賃金の計算対象になるかが決まります。

※制度や行政解釈は変更される場合があります。実際の運用については最新情報をご確認ください。

公式資料

割増賃金の基礎となる賃金とは?(厚生労働省)

お問い合わせについて

お問い合わせは、お問い合わせフォームまたは公式LINEから受け付けています。

なお、当事務所では、就業規則の作成・変更や各種手続きに加え、

総務・人事業務のアウトソーシングにも対応しています。

業務の範囲は、お客様のご状況やご要望に応じて柔軟に決めることができます。

社会保険の定時決定(算定基礎届)や労働保険の年度更新といった定期業務のほか、

助成金や日々の労務相談など、必要な業務のみをお任せいただくことも可能です。

法改正や制度変更など、実務に影響のあるブログを更新した際は、

公式LINEでお知らせしています。

よろしければ、この機会に公式LINEのご登録もご検討ください。

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

「おっきなでんしゃ社会保険労務士事務所」代表の関谷と申します。豊かな自然とあたたかい人々に恵まれたこの新潟の地で、家族とともに日々の暮らしを楽しみながら、社会保険労務士として地域の企業様中心にをサポートさせていただいております。

コメント

コメントする

目次