
こんにちは、新潟市で活動しているおっきなでんしゃ社会保険労務士事務所、
社会保険労務士の関谷です。
出産後の時期に父親も育児に関わりやすくする制度として、
「産後パパ育休(出生時育児休業)」があります。
この制度を利用した場合、条件を満たすと出生時育児休業給付金が支給されます。
この記事では、出生時育児休業給付金(産後パパ育休の給付金)について解説します。
- 産後パパ育休の制度の概要
- 給付金の支給額
- 支給条件
- 手続きの流れ
- 通常の育児休業との違い
など、制度の基本をわかりやすく整理しています。
この記事は制度の仕組みや支給額、条件、申請方法などを整理しています。
初めて制度に触れる方でも、
全体像と実務のポイントがイメージできる内容になっています。
詳しい制度や手続きの具体的な内容についてより詳しく知りたい方は、
記事の最後にある公式資料をあわせてご確認ください。
なお、この記事は「出産〜復職までの制度シリーズ」の7記事目です。
出産から復職までには、さまざまな制度や給付金があります。
出産から復職までの制度全体については以下の記事でまとめて解説しています。
▶ 「育児休業とは?出産前から復職までの制度・給付金・手続きの流れをわかりやすく解説」
※前回の記事
▶ 「⑥育児休業給付金とは?支給額・条件・いつまで受け取れるか解説」です。
出生時育児休業(産後パパ育休)とは?
出生時育児休業は、子どもの出生後8週間以内に取得できる育児休業制度です。
出生時育児休業は、産後パパ育休とも呼ばれる制度です。
子どもの出生直後の時期に、父親が育児休業を取得しやすくする目的で設けられました。
主な特徴は次のとおりです。
- 子どもの出生後 8週間以内に取得できる
- 最大4週間まで取得可能
- 2回に分けて取得できる
通常の育児休業とは別の制度として設けられており、
出生直後の育児参加を後押しする仕組みになっています。
出生時育児休業給付金とは?
出生時育児休業給付金は、出生時育児休業(産後パパ育休)を取得した場合に支給される雇用保険の給付金です。
出生時育児休業を取得した場合、条件を満たすと出生時育児休業給付金が支給されます。
この給付金は雇用保険の制度であり、育児休業中の生活を支えることを目的としています。
育児休業給付金と同じく、休業中の収入減少を補うための制度です。
出生時育児休業給付金はいくらもらえる?
出生時育児休業給付金は、休業前賃金の約67%が支給されます。
出生時育児休業給付金の支給額は休業前賃金の約67%です。
これは通常の育児休業給付金の最初の6か月と同じ水準です。
ただし、出生時育児休業給付金にも支給上限額があり、この金額は変わることがあります。
記事作成時点(令和8年3月時点)での上限額は約30万円となっています。
出生時育児休業給付金の支給条件
出生時育児休業給付金を受けるためには、雇用保険への加入や休業中の就労状況など一定の条件を満たす必要があります。
出生時育児休業給付金を受けるためには、いくつかの条件を満たしている必要があります。
主な条件は次のとおりです。
- 雇用保険の被保険者であること
- 子どもの出生後8週間以内に出生時育児休業を取得していること
- 休業中の就労が一定の範囲内であること
また、出生時育児休業給付金は休業による収入減少を補うための制度のため、
休業中に会社から支払われた賃金が休業前賃金の80%以上となる場合は
給付金が支給されません。
出生時育児休業給付金の申請方法
給付金は会社が申請し、期限や賃金状況を確認しながら進めることが重要です。
出生時育児休業給付金は、会社を通じてハローワークへ申請します。
一般的な流れは次のとおりです。
- 従業員が休業を取得
- 会社が育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書を作成
- 事業所の所在地を管轄するハローワークへ申請
- 支給決定
通常は会社の担当者が手続きを行います。
提出書類・添付書類
■提出書類
・育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金/出生後休業支援給付金支給申請書
■添付書類
・賃金台帳、出勤簿、タイムカードなど、賃金の支払状況および出勤状況を確認できる書類
・母子健康手帳(出生の事実および出産予定日が確認できる部分)の写し等
電子申請について
手続きは、ハローワークへの提出のほか、電子申請で行うこともできます。
会社の運用に合わせて、進めやすい方法を選ぶとよいでしょう。
申請期限はいつまで?(支給申請期間の考え方)
申請は「いつからできるか」と「いつまでに行うか」が決まっているため、タイミング管理が重要です。
出生時育児休業給付金の申請は、
- いつから申請できるか(申請開始日)
- いつまでに申請する必要があるか(申請期限)
があらかじめ決められています。
① いつから申請できるのか
原則として、子どもの出生日から8週間を経過した日の翌日から申請可能です。
ただし、次の場合は早まります。
- 休業日数が28日に達した場合 → その翌日
- 分割取得した場合 → 2回目終了後の翌日
休業が一区切りついたタイミングで申請できると考えると分かりやすいです。
② いつまでに申請する必要があるのか
申請期限は、申請開始日から2か月を経過する日の属する月の末日までです。
EX : 6月10日が申請開始日 → 8月末までが期限
通常の育児休業との違い
産後パパ育休は出生直後に特化した制度で、通常の育児休業とは役割が異なります。
通常の育児休業との主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 産後パパ育休 | 育児休業 |
|---|---|---|
| 取得時期 | 出生後8週間以内 | 原則1歳まで |
| 取得期間 | 最大4週間 | 原則1歳まで |
| 分割取得 | 2回可能 | 2回可能 |
産後パパ育休は、
子どもの出生直後に父親が育児に参加しやすくする制度として設けられています。
実務で押さえておきたいポイント
産後パパ育休は通常の育児休業と組み合わせて取得することができます。
例えば
- 出生直後 → 産後パパ育休
- その後 → 育児休業
という形で取得するケースもあります。
会社としては、
制度の違いや取得パターンを整理して説明できるようにしておくことが大切です。
よくある質問
Q 産後パパ育休は男性しか取得できませんか?
出生時育児休業は、主に父親の取得を想定した制度ですが、
法律上は男性に限定された制度ではありません。
ただし制度の目的としては、
子どもの出生直後の父親の育児参加を促すことが想定されています。
Q 産後パパ育休は分割して取得できますか?
出生時育児休業は2回に分けて取得することが可能です。
例えば
- 出生直後に取得
- 数週間後に再度取得
といった形で利用することもできます。
Q 産後パパ育休のあとに育児休業を取得することはできますか?
産後パパ育休のあとに通常の育児休業を続けて取得することも可能です。
家庭の状況に応じて休業期間を組み合わせることができます。
まとめ
・産後パパ育休は 出生後8週間以内に取得できる
・最大4週間取得可能
・給付金は 休業前賃金の約67%
近年は男性の育児休業取得も増えており、
こうした制度の理解はますます重要になっています。

社会保険労務士 関谷聡のこの記事のポイント
出生時育児休業給付金は、産後パパ育休を取得した場合に支給される
雇用保険の給付制度です。
なお、本記事は執筆時点の制度をもとにしています。制度改正などにより内容が変更される場合があります。
公式資料
より詳しく制度内容を確認したい方は、こちらをご覧ください。
・出生時育児休業給付金(厚生労働省)
・Q&A~育児休業等給付~(厚生労働省)
・令和7年8月1日から支給限度額が変更になります(厚生労働省)
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次の記事は「⑧出生後休業支援給付金とは?支給額・条件・産後パパ育休との関係を解説」です。
男性の育児休業取得を促進するために追加された雇用保険の給付制度です。
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